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全社員の過去の残業代全額支給された話

ビジネス・ニュース関連

m.huffpost.com

 

ヤマト運輸が、常態化していたサービス残業の事実を認め、過去のサービス残業に対する残業代を支給することに決めたそうです。私が過去の勤めていた企業でも、同様の事例がありましたので事の経緯をご紹介します。

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非上場大企業3年連続赤字

僕が勤めていた企業は、従業員が世界中に10万人、その内国内に7000人ほど在籍する企業でした。その程度の会社ですと、世の中たくさんあります。世界で10万人はなくとも、国内7000人はそれほど珍しくないでしょう。その会社の状況は芳しくなく、国内では赤字が続いていました。しかし、海外での黒字で帳尻をあわせていました。僕は、そんな国内の、本社ビルに勤めており、さして忙しくやない日々を送っていました。会社は定期的にリストラを行なってきましたが、それでもあたりを見渡せば暇そうな人たちをたくさん見つけることができました。僕に焦りはありませんでした。リストラには年齢制限があり、僕はその対象よりずっと若かったからです。しかし、リストラしてもらえば、何倍もの退職金が得られ、その後も失業保険や税金の減額が受けられますから、それが羨ましくもありました。(会社都合だと条件が良い)会社は良くなる見込みもなく、国内の事業は縮小の一途をたどっていたからです。

僕が入社して以来、儲かっているような話は聞いたこともなく、関係会社を売りさばいたら、販売拠点を潰したり、そんなのばっかり。経営者の働きを、リストラ以外の形で目にすることは、5年以上勤めて一度もありませんでした。

 

ブラック部署とホワイト部署、そして是正勧告へ

そんな暇で、仕事が足りていない会社でサービス残業?と思われるかもしれませんが、部署間格差が凄まじかったのです。僕のいた部署は、珍しく「ほどほど」の部署でした。海外とのやりとりのため、どうしても夜間の会議なども増えますが、その分は別の日に早く帰ったり、あるいは在宅での勤務も認められていました。そうした柔軟な勤務体系がなければ、残業は30時間ほどだったのではないでしょうか。世間一般では少ない方かと思いますが、そもそも残業0が「普通」であるべきですからね。

 

さて、他の部署はどうかというと、暇そうな場所からは、まずキーボードの音が聞こえません。たまに、数秒前キーボードを叩く音が聞こえますが、それはGoogleで新しい何かを検索しているときの音です。当然ながら、残業はありません。

 

これらのマシな部署では、上司もまともですから休みも柔軟な勤務もどちらもとても取りやすい状況にありました。

 

一方で、忙しい部署は朝7時前から出社し、夜は11時ころまではオフィスの明かりが消えることはありませんでした。ミスや遅れ(15時間働いても間に合わない)があれば、土日に終わらせておけ、と命令されたようです。もちろん「能力不足により勝手に遅れた」わけだから残業代は出さないという論調です。過去にも自殺者が出たり、労働基準監督署への通報がよくされていたようで、何度か是正勧告はされていたようです。表面上の対応はされていましたが、実態は変わっていませんでした。そして、この時も是正勧告があったようです。これまでは表面上の対策はありましたが、業務のマネジメントや実質的な業務の改善はなく、社長からの通達で「残業禁止」と言われるだけでした。

上記の例で言うと、1日15時間勤務で休日出勤がありますから、多目の人で言えばざっくりサービス残業が100~200時間程度はあった計算になります。

 

流石に通報者が多く出たのかわかりませんし、労働基準監督署からの是正勧告がこれまでにない強いものだったのかはわかりません。しかし、なぜかその時は、過去のサービス残業を全額支払うという結果になりました。(あ、思い返せば、残業を減らす施策は一切なしでしたね)

 

過去の残業代を全額支給

さて、過去の残業代を全額支給されることになったわけですが、一体どうやってその残業代、ひいては残業時間を算出するのでしょうか?当時、その会社ではタイムカードのような仕組みはありませんでした。その後、導入されるわけですが、少なくともその時にはありません。

この方法というのが、「それでいいのか?」という感じなのですが、すべて自己申告です。人事部より、全従業員にメールで「日付」「始業時間」「終業時間」の列があるExcelファイルが送られてきました。ここに全部記入しろ、というわけです。なお、それ以外にも、メインのゲート(ICカードでセキュリティロックがかかっている)を通過した時間の列もありました。どうやら記録はしていたようですが、何せそのドアの外にも会社のオフィスはあるし、出張もありますからあんまりアテになりません。

しかも、サービス残業の分だけ記入すれば良いのではなく、365日分、すべての日の始業時間と終業時間を埋めて提出しろ、埋まってなければ無効、期限は5日というものでした。ちなみに、対象の期間は過去1年でした。それ以上申告したい場合には別途相談、という感じだったはずです。ちなみに、この情報のやりとりは上司を一切介さず、人事と社員が直接やりとりします。

 

当然ながら、まともな上司の元で働いていた僕は申請するものがありません。しかし、なぜか記入と提出を迫られ、提出しました。仕方がないのですべてコピペです。全部コピペではまずいかもしれないと、過去の勤務時間を照らし合わせ、適度に真実に沿わせて変化をつけた内容で提出しました。

 

過去の勤務時間の実態調査もかねていた

上述の通り、サービス残業をしていない者であっても提出は必須でした。その後聞いた話による、サービス残業の問題について偉い人たちが話し合った結果、残業対策の話には一切ならずに、逆に残業をしていなかったり、さぼっているやつもいるだろう!という話になったようです。

その為に、あえてあまりあてにならないメインゲートの通過時間をあえて添えて、「実際の勤務時間を記入しろ」ということになったようです。

 

過去のサービス残業に対する残業代が支給される

さて、その後しばらくして、過去のサービス残業に対する残業代が支払われました。どうやら提出内容に対して審査や確認などは一切行われず、申告された分をすべて支払ったようです。僕はというと、どうにも記入内容(コピペ)にミスがあったようで、全体を合わせると数時間サービス残業をしたことになってしまっていました。

確かに「ちょっとくらい別にいいや」と残業をつけていなかった日もありましたから、そのままもらいましたが。

支給方法は、調査から3か月後くらいに突然会社から手紙が届き、謝罪文と共に明細が入っていました。当時、その会社では紙の明細など使ったいなかったのですが、その時は紙の明細が入っていたように記憶しています。

 

勤務時間管理の徹底

その後、勤務時間の管理が徹底されました。各ゲートが刷新され、すべての入退出時間が記録されるようになりました。毎月従業員は、その入退出時間のデータを受け取ります。そして、どうしても出てしまう差だけ記入して、提出します。

「どうしても出てしまう差」というのは、例えば出張であったり、業務での外出などです。これは、直属の上司がチェックをして、実際の勤務時間として記録されます。

 

結局、残業の対策はされない

全体を通して、結局残業対策が打ち出されることはありませんでした。ヤマト運輸とは大違い。おそらく今後も、残業はなくならないでしょう。最初に言った通り、頻繁にリストラを行っているのです。一方で、人員が足りない部署があっても、新たな雇い入れは禁止されていました。完成された負のスパイラルに、手出しされることはありませんでした。若手は次々と辞め、利益を埋める見込みのある部署は切り売りされ、いずれ会社はなくなるでしょう。何せ規模が大きいため、1年2年ではどうにもならないでしょうが、将来性はなく、成長がない企業では適切な評価も受けられません。この対策から間もなくして僕はこの会社を辞めることになりました。